生産性向上という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
課題解決はどんな業種、どんな仕事や課題にも、もちろん家庭の課題にも、適用できる考え方です。
新プロジェクトの企画から実行まで携わる仕事の関係上、現場経験としてはなんとなーく把握しているつもりでした。
ただ、体系立てた考え方と言語化された表現でもって、輪郭を鮮明にしたいと思い、本書『イシューからはじめよ』を手に取りました。
おすすめする人
- 生産性を上げたい
- ちまたの表面上のノウハウに飽き飽きしてる
- 物事の本質を学びたい
どうすれば、
「生産性を上げることができるのか」
について、紹介していきます!
安宅/和人
1968年、富山県生まれ。東京大学大学院生物化学専攻にて修士号取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。4年半の勤務後、イェール大学・脳神経科学プログラムに入学。3年9カ月で学位取得(Ph.D.)。マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域における中心メンバーの1人として、飲料、小売り・ハイテクなど幅広い分野におけるブランド立て直し、商品・事業開発に関わる。また、東京事務所における新人教育のメンバーとして「問題解決」「分析」「チャートライティング」などのトレーニングを担当
引用:アマゾン「イシューからはじめよ」
1.生産性をあげるとは、『価値ある仕事に集中する』こと
そもそも生産性とは何でしょうか。
生産性の定義は、
「どれだけのインプット(投入した時間・労力)で、どれだけのアウトプット(成果)を生み出せたか」です。
つまり、投入する時間や労力を減らして同じ成果を出すか、
もしくは費やす労力は変えずに成果を増やすか、のどちらかになります。
ここまでは聞いたことある方もいると思います。
では、さらに突っ込んで、優れたアウトプットとはなんでしょうか。
それは、「価値」があるかどうか。
いくらアウトプットだしたといっても、しょうもない結果ばかりであればあまり意味はないですもんね。
では、そもそも価値ってなんでしょうか?
本書では、価値とは、
- イシュー度
- 解の質
の2つの要素で表現できるといいます。
イシュー度とは、根底にかかわるもの、もしくは白黒決着がついていないものと定義されます。
つまり、だれも答えをもってなくて、はっきりしたことがわからないレベルだということ。
解の質とは、答えのクオリティのこと。(そのままですが。)
つまり、あいまいでグレーな問題について、クオリティの高い明確な答えを導きだすことができれば、
それは大きな意味のあること(=価値のあること)だということです。
僕個人的にも、「価値とは変化量(=どれだけ変化を与えるか)」だと捉えていて、
変化量が大きい=インパクトが大きくて意味のあることという点で、とても共感を覚えました。
そして、イシュー度の高い問題は実はそれほど多くなく、1/100程度でしかないと。
だから、
イシュー度の高い問題に集中して取り組めば、仕事の取捨選択ができ、
結果として生産性を上げる、すなわち価値ある仕事ができるということなんですね。
2.イシューを見極めるとは『事前に仮説を立てる』こと
どうすればイシュー度の高い課題を洗い出すことができるのでしょうか?
それは、無理やりにでも仮設を立てて、言葉に落とし込むこと。
まずは今持てる範囲の情報から立てられる仮説を立てる。
最初は荒くてもいい。
とにかく立てる。
その上で、立てた仮説に沿って、
どんな情報があれば求めるアウトプットがだせるのか考え、収集するデータを決める。
そして、得られたデータを振り返り仮説を修正していく。
もしかしたら、仕事を進めていく上で仮説の方向修正がいるかもしれないが、それはそれで当然のこと。
修正した先には、きっと精度のいい仮説とそれに基づいたデータ収集ができているはずですから。
PDCAと同じで、計画(=仮説)がなければ、
結果の振り返りができず、結局精度の低いアウトプットになってしまいます。
イシューを見極めるとは、PDCAの「P」にフォーカスを当て、問題を解き始める前(=Doの前)に、まずは見通しを立てること。
ここをきちんとするかしないかで、後々のアウトプットが大きく変わってくるので、
生産性を上げるための超重要ポイントとなります。
そしてPDCAを回し続けることで、より精度の高いアウトプットを出すことができます。
仮説なくして、振り返りはできない。
振り返りなくして、精度はあがらない。
精度向上なくして、価値ある仕事はできない。
ということですね。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか?
以上のことをざっとまとめると、
- 生産性とは、価値のある仕事に集中すること
- 価値ある仕事とは、イシュー度の高い仕事のこと
- イシュー度を見極めるには、仮説設定を必ずし、PDCAを回しまくること
となります。
ちなみに本書にはこれ以外にも、
- よいイシューの条件
- イシュー収集のアプローチ
- イシュー分析の方法
- イシューを軸とした問題解決ストーリーの作り方
- 「伝える」プレゼンの極意
等々、イシューの見極めから問題解決のストーリー作成、およびに最終的なアウトプットを見据えた表現の方法まで、幅広く解説してくれています。
より本質的な仕事がしたい方、もっと説得力がありつつもシンプルなプレゼンや報告書のストーリー構成の仕方を知りたい方、
とってもおすすめの1冊になりますので、興味をもったらぜひぜひ読んでみてもらえればと思います。
4.最後に ~本を読んで感じたこと&考えたこと~
本書を読んで、自分の中で改めて新しい発見があったものが2つあります。
1つは価値の定義。
仕事をしてれば価値や付加価値といった形で、「価値」って言葉はよく聞きますし、
子どものときから何気なく触れていた言葉でした。
でも、じゃあ「価値」って何?って聞かれたら、自分はなんて答えることができたのかなぁ?
多分、「自分にとって大切なもの」といった「価値」とおなじくらいのあいまいな言葉でしか、答えることができなかったと思います。
この本を読んで、「価値=イシュー度×解の質」だと理解した訳だけと、
ここからもう一歩自分なりに考えると、おそらく変化量だと捉えることができるかなと思いました。
つまり、
「価値=イシュー度×解の質=変化量」
どれだけ相手に変化を与えることができたか、
これが、どれだけ価値を与えることができたか。
僕は愛する家族と過ごす時間が、他のなによりも価値を感じるのだけれど、
結局、1人ぼっちの時間と家族と過ごす時間の差=僕の心理的な幸せ度の変化量で、この変化量がめちゃめちゃ大きいということ。
もし愛する妻や子供がいなくなってしまったらと創造すると、まじで孤独死する自信があります。笑
価値の輪郭をより鮮明に把握できたという点で、この本は大きな変化を与えてくれました(=僕にとって価値があった)。
2つめは仮説の大切さ。
PDCAという言葉はよく聞きます。
が、正直ここまで仮説の重要さを考えたことはありませんでした。
僕の性格上、とりあえず行動しながら考えればいいやとなっていたし、結局出たとこ勝負なんですよね。
そして振り返りもあまりしないし、しても表面上のことだけ。明日には忘れてる。。。
けど、事前に仮説をたてておけば、何が想定と違ったのか、その理由はなにか、次にどう生かせばいいのかを振り返ることができる。
当たり前だけど、当たり前にできていないことを改めて認識することができたし、
さらに仮説だけではなく、事前の予定にも展開ができることに気づいた。
例えば、1日の行動も事前にスケジュールを立てておけば、目標に対し達成度の有無もわかるし、明日への反省もわかる。
1日や1週間、1か月、1年単位で事前に目標設定と予定を立てておけば、きちんと振り返り続けると、きっと未来は違う。
一日一日の軌道修正が1年後には大きな違いを生んでいるだろう。
そう気づくことができた(=自分の意識を変化することができた)点はとっても大きな収穫だったと感じます。
さっそく1日の目標設定をしたので、継続できるよう、振り返りを重ねていきたいと思います。
(目標:1日1冊読書と感想の更新。ただし、目標±30%の誤差は許すとします)
以上、最後まで読んでいただいてどうもありがとうございました!
この文章がだれかの心に少しでも良い変化を与えることができればとっても嬉しいです!