こんにちは。
今日は『ファクトフルネス』についてご紹介します。
僕がこの本を手にとったのは、
単純にビルゲイツが絶賛していたから、というのもありますが、
そもそも自分自身が生きるこの世界についてきちんと知らないからこそ、
少しでも正しい情報について知りたいと思ったのがきっかけです。
ただ、実際読み終わって当初の考えは大きく変わりました。
この本は、決して世界の”正しい情報”を伝えてくれる本ではなく、
この世界を”正しく生きる姿勢”を示してくれるものでした。
もしあなたが、
「この世界を正しく生きていきたい」
と思うのなら、ぜひ本書を手に取ってもらえればと思います。
こんな人におすすめです。
- 論理的な考え方を見つけたいと思う人
- 謙虚で好奇心旺盛な人
- 世界の見方を変えたい人
1.無意識的が支配していた僕たちの当たり前
本書では、様々なデータに基づいて、
これまでのいわゆる常識がもはや常識ではないことを説明します。
例えば、
・世界でもっとも多くの人が住む国は?
A:低所得国、B:中所得国、C:高所得国
・いくらでも電気が使える人は世界にどのくらいいる?
A:20%、B:50%、C:80%
・世界中の1歳児で予防接種を受けている子どもの割合は?
A:20%、B:50%、C:80%
というように。
答えは、それぞれB、C、Cです。
もしかしたら、真逆のイメージだった人が大半だったかもしれません。
でも、安心してください。
同じような回答は世界各国で、
いわゆる有識者といわれる人たち、官僚エリートやノーベル賞受賞者でさえも、
同じ過ちを犯してしまったようなんです。
では、なぜ認識に間違いがあるのでしょうか?
単に勉強不足なのでしょうか?
もちろんその可能性もゼロではないですが、
そもそも人の脳構造にはいくつかの心理的バイアス(=思い込み)がかかりやすく、無意識的に自分の都合のいいように解釈しているからだと筆者はいいます。
でも、そもそも間違った認識をそのままにしていることこそが問題なのです。
カーナビは正しい地図情報をもとに作られていて当たり前だ。
ナビの情報が間違っていたら目的地にたどりつけるわけがない。
同じように間違った知識をもった政治家や政策立案者が世界を変えられるはずがない。
世界をさかさまに捉えている経営者に、正しい経営判断ができるはずがない。
世界のことを何も知らない人たちが、世界のどの問題を心配すべきか気づけるはずがない。
引用:ファクトフルネス (イントロダクション)
まずは正しい情報を得ること、
その上で、無意識的の思い込みに支配されずに正しく情報を解釈すること。
自分自身も思い込みによって解釈していることが多分にあることを認識することが、
世界を正しく生きるための第一歩です。
2.10の思い込みを乗り越え、世界を正しく見る
今の世の中はインターネットが普及しているため、情報へのアクセスは容易に行えます。
信憑性の高い情報に個人レベルで触れることも可能になっています。
そんな世の中で大切になってくるのは、「思い込みを認識する力」と「思い込みを抑える力」。
思い込みを認識したり抑えたりするには、そもそもどのようなタイプの思い込みがあるのか理解することから。
本書では10の思い込みとその事例について詳しく紹介してくれます。
(※ここでは紹介しないので、気になればぜひ本を読んでみて!)
また思い込みを理解した上で、
事実(データ)の解釈については、
- 数字を自他、過去現在で比較することでトレンドを知る(他との比較)
- 母集団の中での位置づけを知る(全体感の把握)
- 比較対象を正しく選択する
といったことをおさえながら、そこから読み解けるストーリーを大切にするということ。
事実を正しく認識し、
悪化や良化のトレンドがみえてくれば、その問題が今後どの方向に進もうとしているか予測することができる。
また注目している問題が、課題全体の中でのウエイトがわかれば、クリティカルな視点なのかがわかってくる。
正しく事実を捉え、正しく解釈することこそ、
この世界を正しく生きる姿勢そのものになるのです。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか?
本書は事例紹介が盛りだくさんで語られるのですが、
総じて感じたことは、他人の解釈を鵜呑みにしないこと。
きちんと自分の頭で考えること。
そしてその場合には、必要十分なデータを集め、その数字の裏にあるストーリーを読み取ることでした。
今の社会では、情報が多い一方で、
事実の一部を切り取って伝えることが意識的か無意識的かにかかわらず、横行していると感じます。
そんな中でこの本の想いである、
「事実をベースに正しく考え読み取ることができる人を増やすこと=ファクトフルネス」に触れ、
まずは自分自身、何気なく無意識的に決めてかかっていることに気づき、ちょっと待てよと考えてみる。
自分自身の振り返りをしてみる。
そういう心づもりが必要だなと感じることができました。
ちなみに10の思い込みとして、
- 分断本能
- ネガティブ本能
- 直線本能
- 恐怖本能
- 過大視本能
- パターン化本能
- 宿命本能
- 単純化本能
- 犯人捜し本能
- 焦り本能
が紹介されています。
もし興味をもてば、ぜひぜひ本を手に取ってみてください。
世界の見方とこれからのモノの考え方が変化するきっかけになると思います。
最後に想い。
難しい本もありますが、自分にない視点を教えてくれるのはいつも新しい本でした。
1冊1冊との出会いを大切に、今後も読書を楽しみたいなぁと思います。